新大統領が就任しました
お疲れ様です!インドネシア担当鈴木です。
去る2024年10月20日、ジャカルタの国会議事堂で新しい大統領/副大統領の就任式が行われ、2期10年続いたジョコウィ大統領が退任、プラボウォ・スビアント新大統領が就任しました。
新大統領は就任演説で貧困の撲滅、汚職の撲滅を掲げ、食料やエネルギーの自給自足にも注力すると述べました。
前任のジョコウィ氏は初の民間出身(中部ジャワの家具屋さんでした)大統領という事で庶民に敬愛されましたが、最後は退任後も影響力を維持しようと不評を厭わずなりふり構わず活動し、事実、民主主義の後退と言っていい成果を残しました。ご長男であるギブラン氏(TOP画像右)を副大統領に据えるために強引に新法を通し、この件を訴追する違憲裁判は当日に裁判長が病欠のため延期(!)となってこの日の就任式を迎えています。その他いろいろ・・・。更に次男カエサン氏を中部ジャワ州知事にゴリ押しする件はさすがにというか、厳しい批判にあって断念されました。次男氏がプライベートジェットでアメリカかどこかで豪遊してるところを奥さんがSNSにアップしちゃったりとか、ちょっと難しかったですね。
さて、新大統領プラボウォ氏はどんな方なのでしょうか。
国内有数の名家に生まれ、陸軍に入隊。東ティモール(現在は独立国家)独立革命戦線の最高指導者を自らの小隊で殺害し武力制圧を一気に進展させるなど活躍。第2代大統領スハルト氏の次女と結婚したのちに当然の異例の出世をし、スハルト政権の崩壊までその懐刀として反対勢力の暗殺や暴動の扇動を指揮しました。スハルト氏の辞任後、そうした逸脱行為に対する軍法会議が行われプラボウォ氏は軍籍を剥奪され、ヨルダンに3年間亡命していました。この間弟のハシム氏のカザフスタンでの石油ビジネスに協力、大きな富を築かれたようです。
めちゃめちゃ怖い人じゃん。大丈夫ですかねインドネシア。看板政策の無償給食に財源が足りないからって外資企業をいじめないでくださいね(切実)・・それは参入障壁となって国家の成長を阻害しますよ・・そんなプラボウォ氏、現在は「かわいいおじいちゃん」みたいなイメージを振りまいていますがどうなんでしょう。人の本質はそう簡単に変わらないだろうとは思います。
そんなイメージ戦略に一役買っている子がいます。じゃん。
ボビー・クルタネガラ君です。プラボウォ氏が7年前に拾ったネコちゃんで、今回の就任式にも専用のロゴ入りベビーカー(?)で出席したとか。
同じ猫派としては政権を占う上で一つの好材料と受け止めたいですね。猫は決して飼い主の思い通りにならない生き物であり、共に生活するためには人間側が譲歩する部分が多々あるはず。翻って、相手を立てる心の広さがある・・だといいですね。
ではまた。
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【蛇足】今日のにゃんこ
我が家の玄関前でくつろぐ親子。子猫の名前がなかなか決まらないので「何とかクルタネガラ」にしようかな。